推薦図書(経済学) 更新日: 2008年3月24日

ここでは、経済学に関する本で皆さんに推薦する本(かなり個人的ですが)をピッ クアップしています。是 非、ご一読を。感想を聞かせてもらえると嬉しいです。

開発経済学・国際経済学関係

本 のタイトル、著者、出版社、発行年 内 容の要約 感 想
『フラット化する世界(上・下)』、トーマス・フリードマン著、伏見威 蕃訳、日本経済新聞社、2007年。
この本も経済学の本ではありませんが、「グローバリゼーション」という 名のもとに世界で起きていることを、詳しく説明してくれています。ITテクノロジー、サプライチェーン・マネージメントなどによって世界が一気にせまくな り、「フラットな世界」になったわけです。著者は、この世界で我々がどのようにしてサバイバルしていったらよいのかを教えてくれます。
上下2冊で900ページ近くありますが、最後まで一気に読みました。翻 訳も気になりません。是非、大学生諸君に世の中に出る前に、読んでもらいたいものです。
『貧困の光景』、曽野綾子著、新潮社、2007年
この本は経済学の本ではありませんが、途上国の貧困や援助の問題を的確 に伝えていると思うので、あえてここで紹介します。
「しかしそのお金(募金のお金、東郷注)を途上国の政府や、××財団、 ○○基金、などという所にいったん渡したが最後、その関係者が正しく目的のためだけに使う、と信じる方が甘いというのが、こういう仕事に携わる人々の多分 常識と言っていいだろと思う。」(p.174)という点は一般の人がもっと認識するべきだと思います。

『私物化される 世界―誰が我々を支配しているのか』、ジャン・ジグレール、渡辺一男訳、阪急コミュニケーションズ、2004年

『世界の半分が飢えるのはなぜ?』の著者が書いた、世界経済に関する大 人向けの本。
原題は「世界の新しい支配者とグ ローバルな敵対者たち」、こちらの方が良いタイトルだと思う。内容はinformativeである し、ヨーロッパの左派インテリからみた世界経済の状況。WTO、IMF、世銀に対する鋭い批判!

『世界の半分が 飢えるのはなぜ?ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実』、ジャン・ジグレール、たかおかまゆみ訳、勝俣誠監訳、合同出版, 2003年

1999年までスイス連邦議会議員(社会党)であった社会学者からみた 途上国の飢餓問題の分析。
翻訳もよく、中学生以上であれば、その内容は理解できると思われる。著者はブルキナ ファソのサンカラやチリのアジェンデの改革を支持しており、彼らが殺されたのは先進国によって糸を引かれた軍部によるものだとしている。
『OECD(経済協力開発機構)世界最大のシンクタンク』、村田良平、 中公新書
元外交官によるOECDの解説書。世銀、IMFに比べ情報量の少ない OECDについて書かれた本。 外交官の経験を通じて書かれた本であることから、日本がOECDに加盟 する経緯や、OECD内部での話などが書かれていて興味深い。
『WTO徹底批判』、スーザン・ジョージ、作品社、2002年
WTOの問題点について解説している。内容は読みにくいが、知っていて ためになる情報もある。
多国間投資協定(MAI、国境間の無差別な投資の自由化を実現するもの)というのがOECDの中で「極秘裏に」計画されていたけれど、アメリカのNGOがかぎつけて結局採択されなかったということがあったらしいです。恐ろしいですね。
『貧困の終焉』、ジェフリー・サックス著、早川書房、2006年。
もっとも有名な開発経済学者の一人であるサックスの、学者としての半生 と国連のミレニアム目標達成にかける思いを記述した本。
イースタリーのWhiteman's Burden(まだ翻訳は出ていない)と読み比べると大変面白い。
『コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語』、ジャン=ピ エール・ボリス 林昌宏訳、2005年
一次産品のケーススタディを通じて、近年途上国(特にアフリカ)で生じ ている問題を報告する。 綿花に対する米国の輸出補助金が如何に途上国を苦しめているのかは、 もっと広く知られるべきだろう。
『スティグリッツ早稲田大学講義録』藪下史郎、荒木一法編著、光文社文 庫 2004年 グローバリゼーションに対するノーベル経済学者の考察。 IMFに対する痛烈な批判は傾聴に値する。
『エコノミスト 南の貧困と闘う』、ウィリアム・イースタリー著、小浜 裕久他訳、東洋経済新報社、2003年
途上国の現状と開発経済学の進展を読みやすく解説した本。
開発経済学の現状が知りたければ、どの教科書よりも最適だろう。
『援助する国 される国 アフリカが成長するために』、服部正也著、中 央公論新社、2001年
服部正也氏の遺稿。長年の経験を通じた、アフリカの発展のための提案が 提示されている。
氏の国際開発金融サークル(米国中心の)の中での奮闘と挫折から学ぶべ きことはたくさんある。
『飢餓と難民ー援助とは何か』、犬養道子、岩波ブックレット No.112、1988年
飢餓とは何か、ボランティアの資格とは何か、難民の現場からの報告。 今から20年も前に書かれていながら、難民問題は依然存在する。我々は 進歩しているのだろうか?
『ルワンダ中央銀行総裁日記』服部正也著、中公新書、1972年
1965年から1971年までルワンダ中央銀行の総裁を務めた日本人に よる記録。
絶版になっているは惜しい!是非復刻を。

開発経済学・国際経済学関係 (経済学とは少し離れますが、背景を知る意味では有益と思われる本)

本 のタイトル、著者、出版社、発行年 内 容の要約 感 想
『チョコレートの真実』、キャロル・オフ著、北村陽子訳、英治出版、 2007年
チョコレートの歴史と、チョコレートを通して先進国が途上国にどのよう な影響を与えてきたかを報告した本。
カカオ生産国がカカオを加工してチョコレートにし、先進国に輸出するこ とが出来れば、彼らの所得はもっと高くなることができるわけです。また、カカオの売り買いに関しても、買い手独占のような状況がなければ、カカオ生産者の 所得は今より上昇するでしょう。援助も大切ですが、それと同様に途上国の生産者がreasonableな所得を手にすることができる仕組みを構築すること の方が重要でしょう。
『国連幻想』、古森義久、産経新聞、2004年
国連の様々な問題点を指摘する本。世銀、IMFについての記述もありま す。
国連に多額な資金の提供を行っている日本人は、もっと国連がどういう機 関であるか理解するべきだと思います。道路特定財源の話と同じくらい重要です。青山にある国連大学についての話もあります。ただ、ネガティブな面が強調さ れすぎている気もします。ポジティブな面も紹介したうえで、読者にいろいろ考えてもらった方が良かった気がします。
『解体 国際協力銀行の政治学』、草野厚、東洋経済新報社、2006年
2006年における政府系金融機関改革で、国際協力銀行の解体が決まっ た。その過程の詳細な記述。
日本の開発援助実施機関としての国際協力銀行がどのようにして成立し、 どのようにして解体されたかが、よくわかる。国際協力銀行のODA実施部門と国際協力機構が合体してできる新しい実施機関では、より効率的で機能的な援助 が実施されることを期待したい。


マクロ経済学・日本経済関係


本 のタイトル、出版社、著者、発行年 内 容の要約 感 想
『現代の貧困−ワーキングプア/ホームレス/生活保護』、岩田正美著、 ちくま新書、2007年
日本の貧困の現状について教えてくれる。低学歴などが貧困の要因となっ ていることを報告。
政治の対応が求められる問題だと思います。非自民の政党は何をしている のでしょうか?
『犯意なき過ち 検証バブル』日本経済新聞社編、2000年 バブル経済がどのように発生し、崩壊していったかのドキュメント。 日本のエリートと呼ばれる人たちの愚かさを良く伝えてくれる。
『財政赤字の正しい考え方』井堀利宏著、東洋経済新報社 2000年 日本の財政が危機的状況にあることを分かりやすく説明してくれる。 やはり国民がこの事実をしっかりと認識する必要がある!


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