ワールドゲームズ運営日記

8月12日(日)
 いよいよ秋田に向けて出発。TD(テクニカルデリゲイト:とにかくオリエンテーリング種目の総責任者)の村越から役員をやらないかという打診を受けて1年半、最初から熱心に運営に関わったとは言えないが、5月連休以来相当の労力をWGのためにつぎ込んできた。今日、ノルウェーからIOFのコントローラーであるオイビン・ホルトとセラピストのエスペン・グルムスロッドが成田に到着、郡山まで自力で新幹線で向かってもらい、村越の車で行く私が拾うことになっている。あいにく日本は一番混雑する時期で、東北道は合計100キロほども渋滞しているらしい。常磐道まわりでも5時間半もかかり、2時間の遅刻。ノルウェー人二人はいろいろ駅前でのイベントを楽しんでいたらしく不満そうでもなかった。オイビンは俳優のジャン・レノに顔がちょっと似ている(はげと無精ひげとめがねが似ているだけという声もあるが)が腹が激しくつきだした巨漢である。前回来日したときに会ったときはめちゃめちゃ要求だけしてきて非常にエキセントリックなやつだという印象。私のことをヤマカワ、と声をかけてきたので違う!と否定。

 今日の泊まりは岳温泉奥の塩沢温泉湯川荘。静かな1軒宿で、もう6回目くらいの訪問。早速外人二人を風呂に連れていく。露天風呂があふれそう。エスペンはかつて軍人大会で優勝した経歴があるとかで、今も現役でばんばん走っているらしい。非常に人なつこいいいやつって感じ。夕食には刺身や日本でしかないような物が並び、オイビンは刺身を結構平気で食べてはいるが、海藻などはやはりあまり食べられないようだ。写真(左オイビン右エスペン)

8月13日(月)
 最近の自分の傾向通り朝3時起床。まず露天風呂に行って明るくなるまで入っている。かなりの霧で、5時くらいから外に出て走りに行く。安達太良山の登山道を軽くジョギングし、途中の3段の滝まで行った。滝壺に入って泳いでみたらすごく冷たい水で心臓がばくばくいいだしたのでそうそうにあがり、しばらくぼーっとして下る。宿に戻って朝食の納豆をノルウェー人に勧めたら、食べられないことはなさそうだったがやはり残していた。
 さて、福島南インターから東北道にはいって一路秋田へ。北上から秋田道に入る。途中対面通行のところもあるが、東北道からまっすぐ秋田に行けるなんて便利になったものだ。秋田南インターを降りるとワールドゲームズの会場案内の看板などがちらほらし出している。いよいよ開催で準備もできているようだ。13時ころ市内に入る。目当ての辛いラーメン屋にいったがお盆休み、県庁そばのラーメン屋に。ノルウェー人もこれは口にあった模様。MAC(Main Accreditation Center)というところにまず行く。ワールドゲームズとはオリンピックと並び称されるだけある国際的な大会で、役員、選手などはすべて事前に写真入りの申請書を出して登録している。競技会場などに出入りするためのIDカードをまずここで受け取るのだ。その後、このビルの上にあるAOC(Akita Organization Committee)の事務局に。この大会の運営は地元秋田でAOC:組織委員会を作ってここがメインに運営を行っている。オリエンテーリング担当の渡部さんという人は本職が秋田高校の英語の先生で、志願して2年くらい出向の形で仕事をしている。全くオリエンテーリングを知らなかった人だが、おそろしく仕事ができる人で、本当にこの人が担当してくれてよかった、村越と渡部さんがほとんどの作業をしたと言っても過言ではない。で、渡部さんと簡単にうち合わせ。実は渡部さんはオイビンが嫌いで、全然聞いていない要求をがんがん出してくるだの、テレビ写りをよくすることだけを考えているような発言をするだの、私と同じ印象をオイビンに持っているのである。
 さて、今日の仕事は一応終わり、ノルウェー人と村越は山に入りたいと言いだしている。まず土崎の藤和旅館に行く。かつてO-Cupをやったときにさんざん泊まった宿で、おかみさんはじめおばさんたちが実にいい人たちで安い。荷物を下ろして火力発電所の脇を通って秋田マリーナに。これは昔はなかったが砂浜につきだして作った。大会のテレインに面しているので走るやつは走りに行く。私は朝走ったので海に潜る。テトラポットがあって、いろいろな魚がいるのだ。蠣もはりついているのでアーミーナイフで何とか1個はがして喰った。レモンがあればたくさんいけるが、しょっぱい。が、うまい。今まで秋田は天気が悪かったようだが、我々が着いた日からすばらしい天気になった。気温は高い物の湿度が低いので風が実にさわやかである。

8月14日(火)
 今日は急遽北欧3チーム(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)が観光バスを仕立てていく乳頭温泉観光のツアコンをやることになった。東北大卒の菅原みちこ博士が今回のセクレタリー全般を一手に引き受けており、この日の始発のこまちで田沢湖駅へ、ここでバスと合流することになっているのだが、田沢湖駅までは遠いし、何回も行ったことのある私が秋田から行くことになったのである。ホテルハワイ駅前店に行くとすでにバスが待っている。8時半ころ勝手にぞろぞろ選手、コーチたちが乗り込んできた。一応英語で今日の行程を説明、前日のうちに2万5千図をコピーしておき、乳頭温泉から乳頭山、秋田駒ヶ岳方面への縦走コースを紹介した。一番前に座った隣がノルウェーの選手男女。女性の方はサンダルのままあしを運転席の上の台に乗せたりしてお行儀悪い。男は実にフレンドリーで、私の道路地図をいつのまにか取り上げ、今ここだろう、などと言っている。女性がアウチ!みたいなことを言った。足の親指のところを引っかけたらしく血がにじんでいる。コーチはティッシュしか持っていないらしく、ティッシュで血止めをしている。いつもカバンに入っている応急絆創膏を差し出すと、サンキューベリーマッチと言われた。後で走るときに貼るようだ。この女性選手はハンネ・スタッフ、男性選手はビョルナー・コーチはエーギルヨハンセンで男女とも超エリート選手、コーチはかつての世界チャンピオンだそうだ。知らなかった。この男女選手はもうまもなく結婚するらしい。
 バスは田沢湖駅に到着、みちこ博士と無事合流。仕事は研究室の助手で、ここにくるために相当無理したらしく、結構疲れている模様。秋田出身だが乳頭温泉は行ったことがない、スキー場に行っただけらしい。みちこは英語で切った張ったできるほどぺらぺら。結構ブロークンだと自分では言っている。昼飯を仕入れるために地元のスーパーに行ってもらう。アスリートたちなのですごい大量の果物やパンなどを買い込んでいる。現地のおばちゃんたちはさぞびっくりしただろう。お盆時期しか売られないような地元の菓子もあり、これは何だとスウェーデンの女子選手?に質問されたが自分も初めて見た。ちくわとかいてあったが、米の練り菓子だったようなので、ライスケーキ!とか言っておいた。
 バスは田沢湖スキー場の下を通って乳頭温泉に向かう。すばらしい快晴で、かなり暑くなりそう。国民休暇村に15時までに降りてくること、ここの温泉に各自入ってもらうことにしていったん解散。男も女もバスの中で平気で着替え始める。あれだけおおっぴらに脱がれると全然何も感じない。自分も着替えて外へ。あっという間に国ごとに登山道をかけ上っていく。私も田代平に出る尾根道にとりつく。暑い暑い、選手に釣られて相当早足で上ったためか汗だく。尾根筋に出たところが田代平。ここからは森林限界上なのですばらしい展望を見ながら乳頭山頂へ向かう。選手が走る走る
頂上に到着、走らない選手もいていいなあ。ビール2本などを飲んで休憩。一般の登山者の人と話すと、「あの飛ぶように走る人がたなんだすか?」「ワールドゲームズの選手だすよ」「笹で覆われた道をよくはしれるもんだなあ、同じ人間とは思われない」「道があるだけまだましで、もっとすごいところも走るんですよ」。あの走る姿はびっくりだろうなあ。私も負けじと下りだけは走って集合場所へ。みんな風呂に入って駐車場で飯喰ってほのぼのしている。ノルウェーのビョルナーは沢ででっかいアオダイショウをつかまえ、みちこにこれは毒があるのか、と聞きに来たらしい。炎天下の駐車場に捨てるもんだから日干しになってしまったようだ。かわいそうに。

 さて、風呂に入って16時すぎ、まだ日も明るいので田沢湖に寄ることにした。たつこの像のそばに止める。水にさわる選手も。各地の水では必ず泳ぎたい私は例によって泳いでみたがぬるかった。無事に秋田に帰着、みちこ博士のお父さんが車で来てくださり、みちこがMACでアクレディテーション、渡部さんと打ち合わせた後藤和旅館まで送ってくださった。お父さん、ありがとうございました。みちこも明日からよろしく。

8月15日(水)

この日から選手、役員宿舎である秋田県自治研修所に入ることができる。ここはO-CUP秋田の時には森を切り開かれて更地になっていたところ。県職員の研修のための施設で、宿泊室は全部シングル、和室や庭園、グラウンドもあるすばらしい施設。なにより練習用テレインの中にあるというのがすばらしい。イベントオフィスという部屋を作り、チェックイン後の生活の面倒を見るのだ。

まず10時すぎにドイツチームが来た。そもそものスケジュールとは違い、昨日秋田に来てしまったらしい。ホテルも今更とれずに藤和旅館に泊まって役員からあまり遅れずに到着。鍵を渡してトレーニング用地図も渡す。これは海か、と聞くので実にきれいで泳げるぞ、ただしライフセーバーなどはいない、と言った。早速泳ぎに行った模様。あとでどうだったと聞いたらきれいで、暖かくてエクセレントだという返事。そうだよな、ドイツでもバルト海なんかだと夏でも寒そうだもんな。このあとも結構他の選手も歩いて海に行っている。チラシを作って、Please swim as your own risk.と書いておいたらasをatになおしてくれた人がいた。

食堂はこんなかんじ、オーストラリアは子供連れもいて、実にかわいい

会場の秋田県立大学秋田キャンパスで今日から会場設営が始まる。コントローラーのオイビンをつれていき、会場設営の担当者とまずリザルトボードの位置を決定することにする。100万円くらいかけた代物で、ステージとボードが三分割されているので設置したら動かすことはできない、このボードを決定して、他の装置を設置したいとのこと。ところがオイビンはあそこにあるらウドスピーカーはなんで変な方を向いているのだ、とクレームをつける。要は会場のどこにいてもアナウンスが聞こえるような方向に向けてあるらしいが、あっちは選手しか行かない、意味ないと言い出す。それにあの位置は特等席で観客が集まるからあんなところにスピーカー台を置くな、と言う。10メートルくらい移動するが、スピーカーの向きはどっちがいいんだというと「俺は音響の専門家ではない」などというし、言うことがころころかわるし、全くなんてやつだと思う。これ以外にも観客向けのインフォメーションボードの設置にああでもないと2時間もかけ、設置業者の人もぐったりしていたらしい。

夜からリザルトボードにはめ込むプレートを作り始める。国旗、3文字国名、名前をあらかじめ横75センチの塩ビのプレートに張っておくのだが、花子の部品にあった国旗や200ポイントくらいで印刷した国名や名前を切り貼る。雨対策のためにシールつきフィルムに印刷した物をはっていくのだが、このシートが足りなくなって秋田市で一番大きいOAショップに行ったり、結構大変。個人と中間掲示用の2枚を用意しなければならないのを忘れていたので2セット作成。シールをはがすのが結構大変、国旗も天地を間違えたり。タイムの部分だけ手書きで記入するので、そのためのガイドも貼る。1文字9個の点を薄い網で作った物を6文字分、間にピリオドを入れる。OCR用紙に鉛筆で記入するときのガイドのような物を作ったわけ。

8月16日(木)

会場に朝から行って設営を始め、午後からはワールドゲームズの開会式に出発。選手は12:30にバスが出る。役員は13時半ということだが、秋田の方の車で開会式の八橋陸上競技場の目の前まで送ってくれた。今回は役員といってもパスポート内と外というカテゴリーに別れている。最初は入場行進はパスポート内だけという話だったが、もう誰でも行進してもよく、競技団体に任すということらしい。予定通りパスポート内の物は行進、外は観客席で見物ということになる。

陸上競技場はごったがえしている。7月末にTD会議という協議団体のTDを集めた会議があり、村越が世界選手権に出場するので代理で出席した。このときは全くチケットが売れていなく、開会式も全然目標に達していなかったようだが、この混雑ぶりではかなり売れたのだろう。天気もものすごい快晴で、こんな盆過ぎの秋田にしては異常だ。いろんなWGグッズの露天や市内にできた地ビールやの店も出て、大にぎわい。どうせ大会が始まったら買えないだろうと小銭入れやオリエンテーリング種目用の公式マークをかたどったバッジなどを買っておく。行進する者は隣の県立体育館集合ということなので中に行くが、中もすごい混雑で蒸し風呂状態。いろんな種目の、いろんな国の選手がいて実におもしろい。開会式は15時からで、14時半頃行進のための準備で並んで出て行くが、そこここで停止する。この開会式は選手一人に地元の小学生がエスコートするということらしく、オリエン担当の小学生も10人くらいついている。どこの小学校?と聞いたら追分小とのこと。O-CUPを開いたときに会場に借りた小学校だ。なにか縁があるのだろう。担当の先生がついていて、いろいろ指示しているが先生は会場には入れない。そのうち直径3mくらいありそうなバルーンがでてきた。種目のマークのついたもので、結構強風が吹いているのであっちにゆらゆら。そろそろ開始時刻だが、完成がきこえて上を見てみるとパラシュートで何10人もが降りてきている。いよいよ行進。バルーンを先頭にすぐうしろにつけて入っていく。「オリエンテーリング、国際オリエンテーリング連盟」というアナウンスが聞こえたが、どこからテレビで映しているかわからん。あとでビデオを見てみるとかろうじてIOF支給のグレーのポロシャツと目立つように履いていたオレンジの短パン、手にビデオカメラの自分が判明。遠くからなのであまりよくわからなかったようだが、あれかな、と見ていた人は思ったそうだ。

開会式は秋田各地の囃子の競演やら始めて町の外に出たという巨大綱結び、最後には秋田竿灯が登場。秋田市内で5年も見ていたのでやはりなつかしい。退場時にはあちらこちらで選手やコーチや地元の人が一体化して踊り狂っていた。が、今晩もまだ大会の準備があるのでいまいち心から乗るつもりにはなれない。が、開会式に出てよかったと思う。20年前にオーリンゲンに出たときも開会式で感動したものだったが、思い出した。

8月17日(金)

この日は公式練習がある。すでにモデルコースは公開されているが、スタートとゴールにユニットをおいて計時することもできる。併設大会の参加者も公式練習に午後から出ることができるという案内をしていたが、県立大学集合で自治研修所までテープ誘導するという誤った情報がプログラムに一カ所残ってしまっていたので、なんにんかが県立大に行ってしまった。何回か車で送った。

会場の設営を行っているが、観客席から見えるところにビジュアルコントロールをおき、ここで中間計時を行うという。そのコントロールに設置したユニットをパソコンにつながなきゃならぬ、パソコンはLANを張って計算センターに接続jしなければならないということになった。当初は競技場のはずれの場所だということだったので100m以内に入るだろうとおもっていたのだが、がけの上なので200m以上ありそう。結局HUBを2カ所設置し、砂の上にLANケーブルを配線し、汗みどろになってネットワークを用意した。これ以外にもイベントを盛り上げるアナウンサーが見るパソコンのためにも配線しろと急遽言われるし、結構きつかった。

8月18日(土)

いよいよ個人戦。朝7時に現地集合して最終リハーサルを行うものの、ゴールの表示がうまく出ないようで、大丈夫かいなという心配の声いしきり。今回のシステムはEMITを使用し、計算もIOFのテクニカル委員会が開発したプログラム、そのためにEMIT社の技術者とフィンといういIOFの委員、同じく日本の羽鳥の3人でひっちゃきになってやっているのでこちらはまったくブラックボックス。最終的な結果はPCの画面に出るのでそれを見ながらリザルトボードに記入、WEBへの広報はまたIOFの広報担当が独自のソフトでほとんどリアルタイムにアップデートしているらしい。AOCでの広報はIOFの画面を見ながらWEBにアップデートするという手順。

スタート台は会場の真ん中、木製のスロープが設置されていてテレビ映りがいいようにという演出。こっちについてから急遽プレスタート方式にするとかいうことで、選手は更衣所の体育館前から4分前から誘導され、1分前にようやくスタート台に到着。それまではなんとしてもスタート・ゴールの方式を見せたくないと言うことらしい。ふーん。スタート前にIOF会長のスー・ハーベイが挨拶。昔から名前は聞いているが、一瞬男だったか?と思うほどの風貌。が近くで見るといいおばさんという感じ。

いよいよトップスタート。今回は2人同時にスタートし、地図交換までのコースが違うコースを走る。交換後にもう一つのコースを回ってまた交換所付近に戻るが、最後は交換せずに同じレッグを回るという方式。とスタートを見守ろうとしていたら、中間計時のPCが接続エラーになっている、LANケーブルが悪いんだとか言われる。現地に走り、最後のHUBを見てみるとインジケーターが着かないので別のポートにしてみたりするが、突如復旧。前日は動いて今朝も動いたということなのでケーブル不良というよりはPCの方があやしい。なんかあるとまずいので待機することにする。スタート後5人まではちゃんと中間計時PCが動いていて、速報もできていたようだが、突如またエラー。手で時間を計り、ゼッケンを書き取ることにする。PCの再起動など何回かやっていたようだが結局復旧せず。現地はもともと砂地で、ふつうのノートPCを溝に置いてあるだけだからほこりでLANカードが不良になったのではないかと思うが。完全手計算に移行、携帯電話で速報と連絡しながら中間計時を行う。あくまでトップ10だけで、参考記録だからある程度いい加減でいいとのこと。が、回ってくる選手のゼッケンと現在時刻を記入、スタート時刻から所要時間を暗算して速報に連絡、というのは結構きつい。しかも炎天下。急に計時役を命ぜられた上田息子(中1)はびっくりしたろう。なんとか男子は終わって、女子は最初から林の中で行ったが1人計時し忘れた。が、観客席からはなにごとも起きていなかったように見えたと後で聞いたのでよかったが。苦労して張った200m以上のLANケーブルとHUBはむだになったな。まあよくあることだけど。

結局男子優勝はオーストラリアのグラント・ブルエットが予想外の1位 、2位ノルウェーのトーレ・サンフィク、3位イギリスのジェミー・スティーブンソン。女子は世界選手権ショート優勝のノルウェーのハンネ・スタッフが下馬評通 り優勝、2位はスウェーデンのアネッテ・グランステット、3位もノルウェーのブリギッテ・フセビュエ。

あしたはリレーだが、準備をさっさと終わらして秋田の渡部さん(右の人)という実に多趣味多知識の方主催?で宿舎の駐車場で宴会。春に採ったというギョウジャニンニクを冷凍にしてあったものを食べさせてもらう約束。昼間は実に気温が高く、31度にもなったので夜もアスファルトは暖かく、虫もいない。渡部さんによると今年は虫が出てくるのが遅いのだそうだ。幻の酒も飲ませてもらっていると宿舎からコンビニへ買いに行く選手やコーチが歩いていく。カモーン!とか呼んだらスペインのコーチ(右の人。左は秋田角館の人形製作者佐藤さん:ホームページあり)と女性選手が来てくれた。その後は続々と各国のコーチやもうリレーは走らない選手たちが参加。13国、のべ17人が現れたらしい?

写真: 秋田の荘司さん、みちこ、岩手の鈴木さん スウェーデンのジャーナリスト・グスタフソン 大会を目茶盛り上げたアナウンサー ロシアのコーチ(ひげ):スペインのコーチとともに実にフレンドリーであった

8月19日(日)

リレーはノルウェーが逆転勝ち、1走がトップだったリトアニアが銀、スウェーデンアンカーの追い込みで4分差をひっくり返して銅メダル。すごいエキサイティングなレースだった。

地元紙の秋田魁新報の一面トップに、オリエンテーリング男子優勝の写 真と記事。日本ではめったにないことではないか。

大会会場の後かたづけをざっと済ませ、宿舎に帰ろうと車で出ようとしたら、みちこがぼーっとしている。「なんかトラブルらしいんですよ」「じゃあのってけば」。スウェーデン人の例の古館ばりのアナウンサーともう一人が、出国スケジュールをいきなり変更して今日帰国するとのこと。明日の予定だったので秋田駅までのバスの手配はしてあったが、今日はバスなどない。14時の新幹線こまちに乗らねばならぬ、という。もう12時50分。車で駅まで行ってもいいが確実にはいけない。奥羽線のローカル列車の時刻を調べてもらったら13時5分発追分駅に乗れば間に合う。車で駅まで送るからさっさと支度してくれ、といったがなかなかこない。部屋まで行ったら、一つ問題がある。ローカルトレインに乗るための円がない、といっている。そんなのやるから急げ、とスーツケースを持って走る。もう一人はなんと、バゲッジロストがあって結局スーツケースが届かないまま帰国する羽目に。届いたら明日の成田空港に届けさせるから、とにかく急げ、とようやく村越車で発信。タイヤ鳴らして信号無視していたら、「おまえはシューマッハーかハッキネンみたいだ。テイクイットイージー」などと言う。昔の記憶呼び覚まして裏道で追分駅へ。13時5分、無札証明をもらい、あの電車に乗れ、終点だ。橋わたれ、と言ったらようやく走りはじめ、ホームに着くと同時に列車到着。いやいや、よかったよかった。

夜はキャッスルホテルでワールドゲームズパーティが行われ、とにかく関係者なら誰でも出られた。フロア全部で立食パーティ。太鼓の実演がものすごい迫力だし、噂によると1000人以上の参加があったらしい。とにかく人でごったがえしている。宿舎や大会会場の食事は一般 的な洋食的な物ばかりだったのだが、このパーティーは秋田らしいものがでてきてよかった。きりたんぽやしょっつる、じゅんさいなどなど。もうみんなとはぐれて適当にやっていたがロシアチームと実に楽しくたべることができた。このコーチが実にいいやつで、なんか開会式の公式ビデオを送って欲しいようなことを言う。職場で録画してもらっているはずなので、後で送ることを約束したが、ロシアは日本の方式と違うんだよな。ヨーロッパはPAL方式だし、まあ職場で変換するビデオデッキがあるからなんとかなるかな。ところで、今回来日選手では一番美しいと思ったのはロシアのエレーナである。パーティーにもロシアチーム全体がちゃんとした服装、薄化粧もして。他のメンバーはモスクワの方らしいが、エレーナはハバロフスクから来たようで、新潟から鉄道で秋田入りしたらしい。個人戦前日の夕食時にも、どこぞでおみくじをひいたらしく、これはどういう意味かと聞いてきたのが吉だった。おお、これはラッキーだとか何とか答えておいた。

写真:ノルウェービョルナーだったかな? みちこと選手 デンマークチームだったか コースセッターの石井、小野田と この人がいなければできなかったAOC渡部さんと村越 突然ジャッジになってくださった船橋先生と秋田の佐川さん 

8月20日(月)

選手、コーチ、役員はみなこの日に宿舎を出る。朝5時からバスが来て選手団が帰り始める。キーをなくした者もかなりの数いるが、出立車のチェックなどでおおわらわ。なごりおしい。一番長くすごしたエスペン、オイビンも帰る。そうそう、オイビンにはコースセッターの石井小野田もそうとう頭に来ていたらしい。昨日のパーティーにオイビンの姿が見えなかったが、毎日の炎天下に日焼け止めもせずに嬉々として歩き回っていたのか、足が火膨れになって靴が履けない、歩けないのでパーティーも行けなかったらしい。小野田は「天罰だ」と一言。これ以外の小野田語録は、やはり炎天下で開会式を待っていた選手、コーチ。かなり外で待たされたので日差しがきつく、少しでも日陰を求めていたロシアチームを評して「夏の動物園のシロクマ状態ですね」。をいをい、いい男前のくせに言うことはきつい。

エスペンとIOFのテクニカル委員会のフィ ン、この人も実にいい人でした。バゲッジロストがやはりあって、荷物が 届かないのに怒ることもなくすごく奥ゆかしく、自分はあまりたいしたことし てないのにさんざんお礼を言われた。デンマーク人のようで、英語はそううま くないためか、必ず最初に「フィン、感謝する、」等々必ず最初にフィン、と いうのだ。オイビンも帰った。オイビンとは最後は抱き合って成功を祝って別 れた。2005年の世界選手権でまた会おう?

また、南アフリカは前々回のWGの開催予定国で、返上した経緯があるが、そのためかどうかオリエンテーリング連盟の人が一人だけ視察に来ていた。もともとはオランダ生まれでスコットランドにもいたというピーター・マルダーという人で、宿舎の日本庭園を見ながらビール片手に語り合ってしまった。この庭の説明をしてくれというので枯山水もどきの庭のあの岩が山を表していて、こっちの砂利が川で、云々。南アフリカでの話とか、もとすんでいたスコットランドのこととか、すごくしみじみとした時間を過ごせたことが印象的だった。

宿舎はおおむね片づけ、役員もそれぞれ散っていったので自分も東京OLの廣田さんとレンタカーで男鹿半島巡り。途中潜ってサザエをとったり桜島荘の露天風呂や刺身を食ったり、やっぱり男鹿半島はいい。親友のいる県南の横手市に向かう。途中ものすごい夕焼けだった。

8月21日(火)

飛行機で帰る廣田さんを送り、空港そばの中央公園でやっているフライングディスクを観戦にいった。アルティメットという種目で、要はアメフトのボールの代わりにフライングディスクにしたようなものだが、持って歩いてはいけないのでひたすらパス。持っていない選手はひたすら走り回らなければならないので非常にハードなスポーツだ。ジャッジはいずに、自己申告で反則などは認定するというのがおもしろい。日本は銅メダルだったようだ。

写真:競技場風景 ナミーの着ぐるみが人気 成績ボード

今回のワールドゲームズはそもそも日本ワールドゲームズ協会の役員の師岡さんという上智大学の先生がきっかけらしい。他の国が辞退したときに、日本でやらないかと打診され、師岡先生の友人の諸星さんというかつてミネソタ州立大秋田校の初代学長に秋田での開催を打診、秋田がうけたといういきさつという記事が新聞に出ていた。師岡さんは上智大のOLCの顧問?をやっていたことがあるようで、あの井手裕子さんもよく知っている、村越も自分も知っているとのこと。諸星さんは今は桜美林大学の副学長で大学改革にすばらしい活躍をされており、先日もある研修でお会いした。最近いろいろ仕事関連で関わりの深いうちの大学の経済学部長はICUで諸星さんの後輩だったとか、うちのにょーぼもICU卒で話があったり、世間は狭い。ちなみに自分はICU受験したものの玉砕した過去がある。

第2のふるさと、秋田にまた関われて、しばらく遠ざかっているオリエンのすばらしさも再発見したし実にすばらしい日々を過ごせたものである。ちゃんちゃん。