2003/8/12-8/19石川 立山編

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【8月14日】

 3時起床で準備始める。外はかなりの雨。5時に出発すると言っていたものの寝坊の妻子がいるので6時出発。義父の車について加賀産業道路から金沢市内、砺波を通って富山市内41号線。立山までの道が不安だと言っていたので途中でカーナビ付きのわが車が追い抜いて立山へ向かう。大型バスが何台も向かっているものの、立山駅に割と近い駐車場に入れることができた。ふと見るとえらい狭い線路がある。砂防工事専用軌道で、かつて「命の保証はしません」と書いた切符を渡して一般に乗車させていた路線か?目の前にスイッチバックがあって、警笛の音がしたので見ると機関車が。線路もピカピカだし、現役なのだろうか。室堂までの往復切符を買って、10:20のケーブルカーに乗れる。乗車口に行って、降りてきたケーブルカーを見たらでっかい貨物車両の端に運転席のような箱があってびっくり。私の20年以上使用しているフレームザックは荷物としてその貨物車両に置いてくれた。7分ほどで美女平、すぐに高原バスというのに乗るが、私の荷物は10kg以上あったので(約15kg)300円で荷物券を買って預ける。と、家族はあっという間に乗車してしまった模様。最後尾で次のバスになりそうだったので、「すみませーーん、家族が行ってしまったんですけど」と言ったら同じバスに乗せてもらえた。晴れていればいい景色だろうに雨でガスって何も見えない。50分で室堂到着とのこと。標高2400mの室堂到着、雪渓がすぐ近くに残っている。かなり肌寒い。黒部ダムへ向かうトロリーバスの待ち客やなんやらでごった返している。雨支度をして徒歩30分の雷鳥温泉雷鳥荘へ向かう。だんだんと雨が強く、風もひどくなってきた。ミクリガ池を越えてリンドウ池を回るあたりではよこなぐりの風雨で下の娘がとばされそう。山もかろうじて見える程度。自分一人ならなんとでもなるが、家族がいる緊張感で雷鳥荘に着いたときはほっとした。

 12:30だがさっさと部屋に入れてもらう。まず温泉、ビール。今日は歩けそうもないので宿でぶらぶら、将棋やトランプを貸してもらえる。談話室には薪ストーブと雑記帳、本などが置いてあっていい雰囲気。娘とはさみ将棋をやったりしていたが禁煙ではないのでそのうちたばこを吸う人が何人も来るので退散、もう体がヤニ臭くなったので 2回目の温泉。外の建物には檜風呂があるようなのだが、ポンプの故障で入れない、残念。夕食は17:30、でっかいトンカツにうなぎ、筑前炊きのような煮物がうまい。ご飯も標高の高いところにしては実によく炊けていてうまい。瓶ビールは700円、今日は30分しか歩いていないが山で飲むビールはうまいといいつつ義父と乾杯。翌日どうするか、宿のご主人によると雨がつづくのではないか?その次の日は晴れそうとのこと。家族は帰っても一人でもう1泊しようと思っていて、剱沢小屋に予約の電話を入れる。剱岳に登ってみたいのだが、明日中に雨でもなんとか剱沢小屋まで行けばあさっていけるだろうとのもくろみ。一晩中雨の音がしているのを聞きながら例によって20時には就寝。

【8月15日】

 目が覚めたら3時、まず風呂。あまり電灯をつけずにかなり熱い湯に入ったり足だけつけたり、床に寝っ転がってストレッチをしたり。雨は上がっているようなので4時ころヘッドランプを持って散歩にでる。ぽつぽつとまた降ってきたが、固形物のようなので雪のようだがあまり冷たくない。変な雨。月は雲に隠れているのだが何となく明るい。ヘッドランプをつけて誰もいない道を歩く。室堂ターミナルに入る。金のないやつかバスに乗り遅れたのが一人くらい寝ているかと思ったが誰もいない。黒部ダム行きのトンネル専用トロリーバスを見てみた。思えば子供の頃池袋に走っていたトロリーバスを見て以来か?会社名が黒部なんとか貫光と観光にしていないのがひねっている。表へ出て玉殿湧水でペットボトルに水をくんで、日本最古の山小屋という立山室堂へ。もう夜が明けてきた。雲は厚いものの雨は落ちてこない。玉殿岩屋というところに行ってみる。途中雪渓を通り、少し谷の方に下っていった左側に洞窟が2つ。帰りはミドリガ池からのコースでミクリガ池に回る。ミドリガ池から流れた水が下のミクリガ池に流れ込んでいる。周囲の山もだいぶ見えてきて、リンドウ池の上から雷鳥荘を見ると後ろの山の色が実にきれい。朝食は6時からなので、ちょうどそのころに戻る。義父母は起きているが妻子は案の定熟睡。かみさんは例によって半目をあけたまま寝ている。写真とってやろうかと思ったがやめた。5回目の風呂に入って、義父母と朝食。朝から飲むビールはうまいうまい。おかずもカレイの一夜干しのでっかいのがついている。山でこんな大きな魚が食えるとは。部屋に戻って9時チェックアウトなので妻子を起こして6回目の風呂に入り、荷造り。全員で池巡りをしながら室堂へ向かう。上の娘は「雷鳥かオコジョが見たい!!!絶対に見たい!!!」と叫んで、ハイマツの中をじっとにらんでいる。朝夕か天気の悪い日に動くというらしいからだめじゃん?といいつつ歩く。下の娘は花が咲いているたびにきれいきれい、と言っている。それぞれ楽しんでいるようで、企画してくれた義父に感謝。雷鳥は見えないが、大きめの雀のようなのが現れて、あまり人をおそれない(長女撮影写真)。途中で、雷鳥を見たという人がデジカメの画像を見せてくれたので、そこへ行こう!の大合唱。室堂から一ノ越へ向かう道で見たらしいので、途中まで行くことにする。天気が持ちそうなので、私は一ノ越から雄山へ登り、外輪山を回って剱沢へ向かうルートを取ることにし、もう休むという義父母に別れを告げる。途中で雪渓二カ所を越えたあたりで妻子は戻る。これから一人。

今日の行程 室堂10:03→祓堂10:33→一ノ越10:43→雄山11:55→大汝山11:53昼食→真砂岳12:59→別山下13:23→剱沢小屋14:10

 本格的な登りになって、去年の白山以来の感覚。このあたりはまだ観光客的な人が大勢歩いている。トレーナーを着ていたのでびしょびしょになってしまって一ノ越へ。 10分休んで雄山へのさらに急な登り。かなりきつい登りだがこんなところにも咲いているリンドウを見ると元気が出る。雄山頂上へ。三角点は2991.6mだが、神社のあるところは3003m。ここが信仰登山の目的地でずいぶん人が多いので素通りして立山での最高点大汝山(3015m)へ。 30分ほど昼食休憩。昨日の夜に雷鳥荘で出て、子供が残したトンカツとウナギ、リンゴとたくあんに昨日の朝食用に買ったおにぎり2ヶ、義父からもらった最後のビール。となりには7,8人の中高年男女グループにガイドとおぼしき青年が飯を食っている。一人の女性はワコールCW-Xの今年のモデルの上に短パンを合わせている。自分は3,4年前に大枚1万5千円をはたいたやつで、しかもすぐに穴があいたので継ぎ当てつき。この女性を最初にかなりCW-Xをはいている人が目についた。大汝から富士ノ折立をすぎて真砂岳に向かう尾根を下る。東側は稜線近くまで雪渓が残る。内蔵助カールというのがおそらくこれだろう。展望は少し効いたりガスったり。真砂岳をすぎたら昨日泊まった雷鳥荘方面が見えた。別山下へ来て、結構疲れてきたのでピークへの登りがきついのを見て断念、トラバース道を行く。ここから晴れていれば剱岳が見えるはずだが見えない。剱沢は見える。ひたすら下りだが荷物が肩に食い込む。下の方はチングルマが満開。きれい。剱沢小屋到着。受付のにいちゃんが剱岳登山の注意をしてくれる。一番の難所はみんな気をつけるが、途中わかりにくいところがあって何人も滑落していると聞いて結構びびる。前剱に登るところで岩場に入る際に踏み跡を行きすぎるとまずい、左に巻くようになどと言われる。荷物置いて、なんと温水シャワーがあるので浴びる。水質汚染防止に石けん類は禁止だが汗を流せてほっとする。売店でビール。スーパードライロング700円。うまい!。自炊なので部屋でぶらぶらしたり小屋の前でぼーっとしたり。そのうち雲が晴れてきて剱が一瞬見えた。暇なので夕食。義父から借りたコールマンのGIストーブというので湯を沸かす。白ガソリンでなかなか威力がある。パックご飯とカレー、焼き豚のような真空パックかたまり。部屋に入って寝ころんでいてもあまり寝付けず、日暮れが近づいてくると天気がよくなってきた。あれほど見えなかった剱がくっきり。夕焼けがきれい()。いつもは20時にバタンキューなのになかなか寝付けない。結局NHKラジオ深夜便を聞きながら寝たようだった。

【8月16日】

今日の行程 剱沢小屋3:50→剣山荘4:17→一服剱4:42→前剱5:20→剱岳6:26休憩6:45→門7:15→剱沢小屋8:50昼食10:10→剱御前小舎10:50→雷鳥沢11:55→みくりが池温泉 12:30

 あたりがざわざわしてきて、ヘルメットやザイルを持った人たちが準備をし出している。自分もトイレをすませたりして行ける準備はできたもののあまり早く出過ぎて危険箇所を夜明け前に通るのはいやなので我慢。朝飯はレトルトの白がゆと鯖のみそ煮缶詰をあたためずにそのまま。あとはVAAMゼリー。相当危険な山なので主要な荷物は小屋に置いていくことにしたが、サブザックを持ってきていないので一昨年ワールドゲームズの開会式でもらったビニール製の袋ににひもの付いたやつに雨具と非常食などを入れる。あとはにょーぼがかって使っていなかった豹柄のウェストポーチ。下はCW-Xで上は野球用のアンダーウェアでぴたぴたのやつに長袖ユニクロTシャツという怪しい格好。4時に出る予定だが待ちきれずに10分前に出発。すばらしい天気で雲一つなく、満月をややすぎた月が出ているのでかなり明るい。一応ヘッドランプをつけて剣山小屋に向かって下っていく。足下は岩がごろごろ、雪渓を横切ったりして最後は沢の中をペンキの目印に従って歩く。だんだんと夜明けが近くなり、東の方が白んできた。すばらしい景色でしばし見とれる。剣山小屋からは登りに入る。もうヘッドランプはいらない、前を行くのは一人で、尾根に出る直前に本格的な岩場になってペンキの印が見にくいものの何とか出て、一服剱に出た。結構きつい岩場と感じたので下りが不安だなあとは思うが、そんな不安はこれからの道で吹き飛んでしまうのである。2600mまで登ったのに100mも急降下して武蔵のコルに。ここから一番急に見える前剱の登りにかかる。結構人が出ていて、追い越しはできない道なので最後尾をついて行く。前の2人組は一人はクライマーという感じだがもう一人は体力不足の人で遅れ気味。ところどころある岩場にひーひー言っている。前剱最後の岩場の手前で休んでいるので先に行かせてもらうが、かなり急ながれ場の上を通る踏み跡を進んでいくと道がなくなっている。ペンキの印もないので???と立ち止まってしまったら、あとから来たクライマーが上のようだといって上部の岩場に登っていく。そういえば、昨日山小屋の人がで説明してくれていたのがここか。踏み跡を追いすぎて岩場にはいると危ないと言っていた。自分もクライマーに続いて岩場をよじ登り始める。途中にくさり場もあり、尾根に出たところでもう日が昇っている。中央のとがった山は槍ヶ岳?かと思ったら鹿島槍とのこと。今まで登ってきた道を振り返るとこんな感じ。すごいやせ尾根の急斜面じゃのう。2813mの前剱到着。これから目指す剱岳が間近に見える。若者6人くらいのパーティーが先にいるのでついて行くが、女性が混じっていてくさり場にくるととたんにスピードがおちて待ち状態。剱の一番の難所は登りがカニのたてばい、下りがカニのよこばいという一方通行らしい。特に標識がなかったのだがかなり長いくさり場があって、下り用の道と合流したのでここがそうだったのだと実感。荷物が軽いのですいすい登れて実に楽しい。結局たいした渋滞もなく頂上に到着。日差しがきつくてグラサンかけ、上下ぴたぴたでかなり怪しい格好になっておる(くつだけはホーキンスのトレッキングシューズでまとも)。周囲も素晴らしい景観(たぶん穂高方面)。毎日果実をかじって休憩、さっさと下ることにする。下りのカニのよこばいはそのとおり、くさり場を横になって進む箇所があって、これがよこばいかと納得。最後は15mくらいのはしごになっていて、おりたところが平蔵のコル。崖下のちょっとした広場に小さい小屋があって、一応トイレになっていた。前剱への手前の門というところがまた素晴らしい景色で、たぶん白山も見える。去年はここに登ったんじゃのう。帰りもきつい前剱へ登ってまた下り、行きにちょっと危なかった岩場を抜けて武蔵のコルに。ユリがきれい。一服剱への登りもきつい。剣山小屋まではくだりで結構すいすい。とにかくピーカンで熱いので最後の剱沢小屋への登りがきつかった。剱岳が本当にくっきりとみえるので望遠で撮影。ようやく剱沢小屋に戻り、荷物を取って昼食。湯を沸かす元気がないので小屋にカップ焼きそばを持っていって湯を入れてもらう。またビール。本当にうまい!!!!剱岳を見ながら至福のとき。あまりにくっきりと見えるので1600x1200で撮影

 1時間少し休憩して、かなり軽くなった荷物を持って下山の途につく。とはいうものの最初に剱沢を登りつめなくてはならない。別山乗越まで一気登り、剱御前小舎に出ると焼きうどんを鉄板で焼いて、生ビールまで売っている。登りで汗だくになっているので生ビールがうまい!! 雷鳥沢までは今度は一気下りだがかなりの標高差で岩ごろごろなので登る場合は相当きつそう。たぶん剱沢泊まりの山岳部っぽいグループやそんなに本格的ではない人などがあえぎながら登り、あちこちで休憩している。自分はあついのでユニクロのドライメッシュの半袖Tシャツにランパンというまたまた怪しい格好になっているにもかかわらず、道を聞かれたり、おじさんに親しげに話しかけられたりする。なんでだろう?と思っていたが、昨日もボッカの人に挨拶されたりしたんで、たぶん一般の登山客ではなくて小屋の労働者と思われたんではないか。雷鳥沢に近づくと昨日はよく見えなかった雄山方面も見える。下りとはいえ1時間近く歩いて雷鳥沢についたら結構足にきた。何本も沢が合流しておおきな川になっている。キャンプ場を通ると石畳で道が整備されていて、いままでの登山道から観光地に戻ってきた感じ。地獄谷に向かう。硫黄のにおいがすごく、直径10mくらいに湯だまりができている噴出口は結構驚く。今日は土曜日、天気もよくて観光客が大勢。みくりが池温泉への最後の登りが長い石段になっていて、人がたくさんいて非常に疲れた。日本で最高所にあるという温泉に浸かって、なぜかこのときはビールを飲まずに室堂センターへ最後の10分を歩いて到着。ここも人でごった返していて高原バスの列に並ぶ。立山とお別れという感慨に浸るまもなくバスで下り、ケーブルの待ち時間ができた美女平で生ビールと焼き餅、そういえばビタミン不足だとしなのリンゴを8つわりにしたのを食べる。すし詰めのケーブルで立山駅へ。富山地鉄の電車で富山へ向かうが、列車はがらがら。観光客は皆ここまで車で来るのだろう。全席クロスシートのレトロな電車で1時間、電鉄富山駅はそれまでのさびついた看板の駅とは違う立派な駅ビル。さいきん富山で話題というブラックラーメンというのを食べたかったが店を探す気力なく、普通電車乗り継いで帰り、野々市に映画を見に来た家族の車に拾ってもらって帰宅。義母の料理とビールがうまい。

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