イメージをつくる

現地の状況を思い浮べる最善の方策は 地図を正確に読むという基本動作だ


 “イメージを思い浮かべて走る”“地形はイメージが大事”“レ ース前にイメージトレーニングをする”。OL技術用語として たびたび耳にする、この“イメージ”という言葉、何となく捉 えどころがなくてイメージを作ることって難しいと思っている 方もいるのではないでしょうか。でも、私はもっとひらったく やさしく考えてもいいんじゃないかと思うのです。今回は、“イ メージをつくる”ということを私流に解説してみたいと思いま す。
 地図を見る。そしてその部分の現地の状態を思い浮かべてみ る。これぞイメージ。でも、テレビの画面を見るように、ぱっ と景色が頭に浮かびあがらなければならないと決めつけてはい ませんか。また、コンタを見ただけで、ぐっと立体像が浮きあ がってこなければならないと? もちろんそれが究極でしょう が、 最初からそこまで期待しては、イメージを作ることがあまりに難しく、抽象 的なものになってしまいます。順を追ってイメージを作ってみましょう。A図を見てください。道の分岐です。でもこれだけでは、道の分岐ということだけです。
 B図では、道の分岐の間に畑があります。まわりは林。Aよりちょっと明るくなった 気がしませんか?そう、分岐点まで走れば目の前にぱっと明るい畑がひらけます。  C図ではコンタが入りました。この分岐の、左の道は畑のふちに沿って登っ ていく道、右の道は畑の右側の平坦な道なんですね。こ の地点がどんなところだかはっきりしたでしょう。
 もしC図を見て、道の分岐があるとしか地図を読まなかった としたら? 言うまでもなく、この道の分岐は、何の特徴もな い、他の道の分岐と間違えてしまいそうな難しい地点となって しまうのです。逆に、A→B→Cの手順でこの道の分岐がちゃ んとまん中に畑があって、左の道は登っているとかいうことが 事前にわかっていれば(イメージをつかんでいれば)、その地 点に来た時、すぐにここだ!と確信してスムーズに通過できる のです。スピードの差はここで出ます。もし、イメージができ ていなければ、きっとそこで立ち止まって、地図と現地を見比 ベ、そこで初めて、「あっ、畑があるからいいんだな」と気が ついてまた走り出すでしょう。
 要するに、イメージをつくる上で最も大切なことは、景色を 思い浮かべることではなくて、その地点に関するいろんなこと (畑があるとか、尾根上だとか)に気がつくこと、言いかえれ ば、地図を正確に注意深く読むことなのです。なんだ、と思う でしょう。でもOLのテクニックなんて、難しそうな名前がつ いていても、結局は、基本中の基本“地図を正確に読むこと” が基礎になっているものが多いのです。
 さて、では地図を見て、イメージづくりをしてみましょう。 ある1点、そこの場所の特徴をできるだけ多く、詳しく、わか りやすくあげてみてください。無理にそれらを組立てることは ありません。箇条書きで充分。それを何回も頭の中で反復する だけで、立派にイメージをつくっていることになると思うので すが、いかがですか?

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