速く走るためのリロケート

オーストラリアで知った速く走るためのテクニックとしてのリロケート技術


 今回は、オーストラリアでの世界選手権(WOC85)参加のおみやげ話として、 おしゃべりしてみたいと思います。外でも日本でもOLはOL、やり方は万国共通 かと思っていた自分のやったことのなかった走り方があるのにぴっくりしました。 特に印象深かったのは『速く走るためのリロケート』です。
 リロケートって、私た ちが使うOL用語としては、"まわりの状況から自分の現在位置をとらえる"とい うような意味の言葉として使われているようです。一般的に、このリロケート が一番重要視されるのは“迷った(迷いかけた)”時ではないでしょうか。つま り、「尾根に出た地点があやふやでリロケートにとまどった」とか「この川の曲 がりでようやくリロケートできた」とか、言ってみれば、私たちの使う"リロ ケート"はミスにかかわる消極的な場合が多いのです。これに対して向こうで は「速く走る為のテクニック」として積極的にリロケートが使われているのに 驚きました。

図を見てください。
AからBヘ・・・
【私の走り方】×印のチェッ クポイントをとり、つまり100mおきに現在位置を確かめながら進み、最後の× 印からコンパスをふってアタック。
【他選手の走り方】最後の×印までコンパ スをふって直進。その付近でリロケートをして、ポストアタック。
 どちらが速 いかは容易に想像がつきますよね。今まで私がしてきたOLは、まず地図をみて、 CPを決め、それを目標にして現在位置を確認しながら進んでいく、「地図の先 読み」が全てでした。それに対して、もちろん大まかなイメージはとらえた上 でしょうが、他選手は、ともかくポスト付近まではコンパスワークと歩測でバ ンバン走る。CPは細かくとらない。ただ走りながら眼に入った特徴物から現在 位置を確認していく。そしてポスト付近でスピードを落とし、素早く正確に現 在位置を把握して、ポストをアタックする。これでは森を走る速さに差が出て 当り前とタメ息をつきました。
 まわりの景色→地図上の位置を判断する(現地 →地図)方が今の私には難しいように思えます。個々の地形や特徴物を製図化 する能力、しかも全て見えている訳ではないのだから、想像力とよほどの注意 力が必要な気がします。それも日本のように線状特徴物の多いゲレンデとは違 い地表で形や大きさのつかみにくいアボカリオや自分の丈より高い岩がゴロゴ ロしている中でのリロケートは、とても高度な技術のように思えました。で も、経験がものを言うOLのこと、やり方とテラインに慣れていれば、それほど でもないのかもしれません。
 また、速いリロケートを可能にするには、ポスト 直前までコンパスワークだけで行きつける直進技術と距離感覚(歩測は技術) があることが絶対条件になります。これができないと、とんでもない目に遭い ます。そう、実を言うと私はWOC個人戦の後半で、つい自分にそういう能力が ない(練習を積んでいない)ことを忘れ、心がけていた寸刻みのチェックを怠っ て、コンパスの方向だけで思いきり走ってしまったのです。結果?・・・この 辺だと立ち止まった所はナントポストから300mもずれており(後でわかった ことだが)、当然その後はどつぼのどん底で した。
 ヤブがきつくて道の多い日本のゲレンデでは、オーストラリアで見たよ うなリロケートテクニックをそのままでは使えないでしょうが、いかにスピー ドをあげて走るか、という課題のヒントにはなりそうですね。
 また、リロケー トの練習や、直進、歩測の練習をもっと積極的にやることも、マンネリ化しが ちな走り方を改善するのに役にたちそうです。

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