ミスの分析・その3

事例研究:事前にミスの可能性を考えてそれを避ける方法をとることが大切



 【どういうミス?】ポストチェック後、A方向へ向かう途中a点に登ったつも りがb点へ出ているのに気づかず、B方向へ走っていってしまった。
 【ミスの状況】ポストで他のランナーと会い、急いだ。沢は割合ヤブが濃く、登っている うちに方向感覚を矢った。
 【反省】人に会って集中力を欠いた。尾根に出てか ら正置も地図読みもろくにせず走ってしまった。  昔からOLの教科書によく載る全くオーソドックス なパラレルエラーです。でも“沢づめ”は意外に難しく、ヤブやコンタのちょっ とした狂いなど悪条件が重なれば誰もがやりかねないミスです。
 さて、ではこ のミスについて深 ーく考えてみましょう。まず登る方向を間違えたというミスと尾根上に出た 地点を誤解しパラレルエラーを犯したという2段階に分けてみます。後者は全 く単純なミスで、“不注意”によるものです。正置をしていれば、もっとよく 地図読みをしていれば、すぐ現在地点に気づいて、ミスは防げたはず。わずか 3秒もかからない“道に出たらすぐ正置”を怠った為に、ロスタイムを何十倍に も増やしてしまったのです。
 でも、問題は前者のミスです。まずはポストチェッ ク後、安易に動き始めてしまったことがミスの要因となっています。特にポス トチェック後は気のゆるみや早く行こうとするあせりから、地図読みや確認が おろそかになりがち。また、この時は他のランナーを見て気がせいたという。 大きな沢線に沿って登ればこの辺に出る、ぐらいの地図読みでは、この手のミ スは起こりやすいのです。
 動き出す前に正置をして、沢の方向や形、それと尾 根上の道との関係をしっかりと把握しましょう。そして“ともかく上へ登る” のではなく、沢の中心線を確実に捉えてからそれを意識して進みます。そうす れば途中ヤブにはばまれて進路変更をしても現在位置を矢わずにすみます。
 今回特に言いたいのは、ミスの可能性を考え、それを避ける方法をとることが、 ミスを防ぐ一番の手段であるという、ごくあたりまえのことです。地図を読ん でまずミスをしそうな箇所を捜します。この場合だったら、地図上ではそのま ま大きな沢をつめればa点に出そうだが、それてしまう危険もある。また右方 向(b方向)に浅い沢が分岐していることなどを読みとる。そしてもし状況を みてa点をそらす可能性があるなら、c点へ登ることをすすめます。a点経由よ り少し距離は長くなるけれど、はるかに確実だからです。つまりエイミングオ フ(ねらいはずし)はポストアタックのみならず、ミスを避ける為にも有 効な手段なのです。c点へ大げさにはずさないまでも、“ミスの可能性”が頭 にあれば、どちらかといえば左へ進路をとるはず。また尾根に出たとき正置も 自然と忘れないでしょう。

  常に 地図を先に 読み
   ミスの可能性を 捜して
    それを防ぐ 手段を 考える
 OLのうまい人ほど、ミスの危険を封じようとしています。というのは、地図をいつも先へ先へと読んで、ミスをする可能性を捜して、そこに気をつけよう、ミスを避けようとるその繰返しが、常にOLに集中することにつながるからなのです。

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