全日本でのミスに思うこと

多く見られたミスの原因は地図からの情報を総合的に把握出来なかったからだ


 1年間のレースの中で最も大きな舞台、第11回全日本大会(1985年3月、一の 関)が終りました。参加された方、いかがでしたか?パーフェクトのレースを した人よりは、ミスをして口惜しい思いをした人の方がずっと多いことと思い ます。今回の全日本大会ではどんなミスが多かったのか?ちょっと輿味のあ るところです。早速12人の人に聞いてみました。今回はその感想を書いてみた いと思います。
 ■出来ていましたか?基本的な地図読み
 全日本大会のゲレンデ、 残念ながら優れたものとは言いがたい。ひどいヤプ、地図と現地のイメージの 違いに泣いた人も多かったでしょう。あのようなゲレンデでは、正確なコンパ スワークや歩測、細かな地形読みといったたぐいのテクニックは使いようもな く、要求されるのはごく基本的な地図読みをムラなく確実に行なうことなので す。基本的な地図読みとは、言い換えれば地図から立体的な現地のイメージを 十分につかむことです。それがうまくできないと、ちょっとした地図のウソに 引っかかったり、変な勘違いを起こしたりして、ミスをしやすく、またミスを 大きくしてしまいます。12人の人のミスを調べてみると、その半数以上がどう もその“現地のイメージを十分に つかめなかった”ゆえに起こったものと思えます。例えば登って道に出たら左に行って分岐を右―こんな 略図的な道のみの地図読み(地形や方向、植生などを考え合わせたイメージの ない地図読み)では、登った地点を間違えば大きなパラレルエラーをしてしま います。ポストアタックでもそう。コンパスだけに頼りきっていたり、ひとつ の特徴物だけをたどったりしていたら、それがおかしかったり見失ったりした 時に、どうしようもなくなってしまう。もしポスト付近を全体的に捉えたイメー ジが頭の中にあったなら、自分がどうはずれたか手掛かりがつかみやすく、小 さなロスで済むはずです。今回のようにヤブがきつく運不運があるゲレンデで は、その差が大きく出たはずなのです。
 自分のミスを見直してみて下さい。正 置を怠ったとか歩測をしなかったとかいう単純なひとつの原因と考えてしまう のでなく、確実な地点から進行方向全体の地図読みがうまく出来ていたかどう か。これは基本的なことながら、一度に身につきにくいものです。こうして書 いていても、どうも抽象的な言い方になってしまうのが、はがゆく思います。 具体的にできることを思いつくだけあげてみましょう。  1 ルートを略図化して覚えない。
 地形、植生などを考え合わせた現地のイメージをまず思い浮かべ、 それに自分の進んでいくルートを描いていこう。  2 多面的にCPをとろう。
 道だけ、地形だけ、とにかく“だけ”は駄目。CPは数より 種類の多いほうがうまくいく。
 3 現地→地図の確認を。
 地図で読んだものだ けを見て走るだけでなく、まわりを見て気づいたものを地図で確認することを 積極的にやってみよう。地図の読み方の幅が広がる。
 ■やっていましたか?CPの確認
 CPの確認が不確実なせいで起こったミスも実に多かった。せっかくうま くCPを地図上で決めていても、実際にはっきりとチェックをしなければ何にも ならない。走り始めるとつい、それらしき方向へなんとなーく、今このへんか なーぐらいでめりはりなくずるずると走っていく人が多いようです。でもそれ ではミスる危険がいっぱい!CPは必ず確認しましょう。自分の現地点をレーダー の様に地図上でピッピッと進めていくぐらいの確実さが欲しいですね。
 ■思っていましたか?基本が大事と
 ミスって、技術不足という原因より基本的なこと の欠如によって起こるもの、結巣から見れば他愛ないものが実に多いと思いま せんか? 出来るはず、やっているはずの基本的なことが実は出来ていない、ま たは甘くなっているのです。何年もOLをやっている方なら、基本が全く出来な い方はいない。あとはその基本をどの程度意識しているか、大切にしているか、 なんじゃないでしょうか?
 全日本大会ともなると緊張感やあせりで特に基本を 守ろうとする注意カが欠けてしまうのかもしれません。でも全日本大会 だからこそ、基本的なことを確実にした人=ミスのない人こそがメダルを手にするのです。

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