ミスの分析・その1

事例研究:確実な地点からの正置を怠ったため生じたミスを分析する


 致命的なタイムロスとなってしまう”ミス”。絶対繰り返すまいと思っても、 レースの度にどうしてもミスってしまうものですね。そしてその度に自分でそ の原因を厳しく追求し反省していることと思います。OL技術サロンでも、共 通の話題として「ミスの分折」を何回かにわたって取りあげてみることにしま した。ミスの原因にはきっと万人共通のものがあるはずだと思うのです。 自分のミスを言って、人のミスを聞いて、共にその原因と対策を考えてみませ んか? 既に何人かの人にアンケートで「最近の大会で犯したミス」について聞 いてみました。まずはそれを例として具体的にあげて、傾向や原因をさぐっ たり対策を考えてみたいと思います(A図)。

[どういうミス?]
1ヘ向かっているつもりがA点に来てしまった。
[処理は?]
スタート近くまで戻り行き直した。
[原因は?]
スタートの沢から尾根に登った地点で正置をしなかったから。
 地図を見た限りでは何の変哲もないレッグでしょう?ところが、恐らく出場者 の半数以土がここでミスをしたという魔のレッグなのです。同クラスに出場 したI嬢も同じようにA点へ行っています。何故、スタート後1の方向の尾根をた どっているつもりが逆方向にA点の方向へ行ってしまったか? M嬢は尾根上で正 置をしなかったせいと考えていますが、実は尾根上で正置をしてももうこの ミスは防げなかったのではないでしょうか。多数のランナーが同じようなミス をしたその原因を「スタート方向のせいでは?」と数人の見解が一致しました。 スタートの三角形の頂点は、1の方向ヘ、つまり北北西を向い ているので、スタート方向へまっすぐ登っていけばa点へ出るような錯覚をお こすけれど、実際のスタートの向きは西だったので、b点へ出てしまっていた。 (B図)

bをaと思い込むという勘違いを多くの人が犯したのでは? 今ではその 真偽のほどは確かめられないけれど。b点からは正置をして1ヘ向かおうとすると、距 離は違うけれど感覚的にスムーズにA点へ到着してしまいます。さらに、この 尾根は幅が広くヤブで見通しが効かず、おまけにスタート直後で人が多く立ち 止まれないという悪条件が重なり、「b点に登っている」というミスに気づくの が難しくなりました。
 このミスには、「スタート方向」という少し特殊な原因があ ります。しかしそれはもちろん“不可抗力”ではなく、よくよく分析すればそ こにはやはりごく基本的なミスの原因があるのです。

1 スタート地点で確実な 正置を行なわなかった。またまわりの地形をよく見ていなかった。これはスター トをポスト、その他に置きかえても同様、つまり確実な地点でまわりの状況を 把握し、進行方向を見定めることを怠っていたのです。間違った地点からの正 置や地図読みでは何にもなりません。動き出す前にまず正置や地図読みを―そ んな当り前のことをしっかりやりましょう。

2 スタートに誰も居なかったとし たら―スタート方向の穴に気づいた人も多かったかもしれない。まわりに人が 多いと、しているつもりでも地図読みや正置が甘くなり、“多勢”に引きずら れがちになってしまいます。

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